花粉症と腸活

くしゃみに鼻水…。ツライ花粉症に悩まされる季節。実はおなかのなか(腸内環境)が、花粉症をはじめとするアレルギーにも関係していることをご存じでしょうか?

腸は免疫力の要!外敵や病気から身を守ります

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腸の役割といえば、まず消化吸収をイメージしますよね。ですが、ほかにも大事な仕事があります。それは免疫システムとしての働き。私たちの身体は、免疫システムがきちんと働いていることにより、病原菌やウイルスといった外敵、さらにさまざまな病気から身を守ることができるのです。

腸には免疫細胞の60~80%があるといわれ、身体のなかで最も大きな免疫器官でもあります。こうした、腸(腸管)のなかにある免疫システムを「腸管免疫(ちょうかんめんえき)」といいます。

なぜ、腸にこのような働きがあるのでしょうか?

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腸は口と肛門につながり、身体の内側にありながら外界と接する器官。それだけ、口から入る病原菌やウイルスなどの外敵にさらされる場所でもあります。外敵から身を守るためにも、腸には免疫システムが必要なんです。

花粉症は「免疫システムの暴走」によって起こる?

免疫システムのなかで働く免疫細胞にはさまざまな種類があり、それぞれ役割や外敵の撃退方法が変わります。頼もしい免疫システムですが、ときに、免疫細胞は本来、攻撃する必要のないものまで攻撃してしまうことがあります。アレルギー反応はこうした「免疫システムの暴走」により起こるといわれています。

腸内環境の乱れはアレルギーにも関係あり!?
おなかの調子を整えて免疫の力をアップしよう

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私たちの身体を守りつつも、ときに花粉症などのアレルギー症状の原因にもなる免疫。免疫の働きは、腸内環境にも関わりがありました。

腸内細菌の理想的なバランスは善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割程度。ところが、食事や運動、睡眠などの生活習慣、また加齢や薬の服用などが原因で、腸内細菌のバランスが崩れてしまうことがあります。

善玉菌、悪玉菌、日和見菌といった腸内細菌のバランスを整えることは、免疫の力を高めることにもつながります。

善玉菌のなかでも代表的なのが「乳酸菌」。善玉菌が活躍するために、今日からできることがあります。

①「善玉菌」を応援する食生活を!

善玉菌、とくに乳酸菌の働きを活発にするには、ヨーグルトなどの乳酸菌を含む食品をとるのがおすすめ。豆類やごぼう、たまねぎなど、乳酸菌のエサとなる「オリゴ糖」や、乳酸菌の働きをたすける「食物繊維」を含んだ食材を積極的にとるのもよいでしょう。

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②運動、睡眠。お通じを整える生活習慣を心がけて!

「おなかの調子」も要チェックです。お通じの滞りは、おなかのなかで悪玉菌が優位になっているサイン。お通じが滞っている状態が続くと、さらに悪玉菌が増える…という悪循環にもつながります。善玉菌を応援する食生活に加え、おなかの筋肉を鍛える運動や十分な睡眠、ストレスを減らし自律神経を整えることを意識して、快適なお通じをめざしましょう。

腸内環境はアレルギーのほかにも生活習慣病や心の状態にも深く影響しているといわれています。心身の健康のためにも、おなかにやさしい生活を心がけたいですね。