よく聞く巻き肩って?

巻き肩とは、肩が丸まって固まってしまった状態のことです。

「え?それって猫背じゃないの?」と思われるかもしれませんが、猫背と巻き肩は少し違います。
ただ、どちらも姿勢の悪さから肩こりなどの不調を引き起こし、巻き肩が猫背の原因となることもしばしば。

放置していると、呼吸が浅くなったり自律神経が乱れて吐き気を感じることもあります。

巻き肩と猫背の違い

では、具体的に巻き肩と猫背は何が違うのでしょうか?
最も大きな違いは、丸まっている箇所になります。

【猫背】
猫背は背中が丸まった状態です。
背骨に沿って、体の縦のラインが丸まっています。

【巻き肩】
その名の通り、丸まっているのは肩です。
つまり、横のラインが丸まっているといえますね。
背中は関係ありませんので、背筋はピンとしているのに肩だけ内側に入り込んでいる方もいらっしゃいます。

ただ、巻き肩と猫背は違うものとはいえ、併発することが大いのも事実。
最初は巻き肩だけだったのに、いつの間にか背中も丸まり、猫背になってしまうケースも多く見られます。
肩が内側に入り込むことで胸の筋肉が凝り固まり、反対側の肩甲骨周りの筋肉が引っ張られ、背中が丸まってしまうのです。

巻き肩だけど猫背ではない、と安心するのは禁物です。
巻き肩に気づいた時点で対処して、猫背になるのを防ぐようにしましょう。

巻き肩のセルフチェック方法

とはいえ、自分が巻き肩かどうかは判断しにくいですよね。
というわけで、簡単にできるセルフチェック方法をご紹介します。

以下に当てはまる方は、巻き肩の可能性大です。

①鏡の前に横向きで立って見ると、耳よりも肩の方が前に出ている。
②仰向けに寝たときに、肩が少し浮く。

簡単にまとめると、「肩が体の前に出ている」状態になっていたら巻き肩ということですね。

巻き肩の原因 

どうして巻き肩になってしまうのでしょうか?原因は主に3つあります。

①スマホの長時間操作
最近多い原因は、冒頭で触れた長時間のスマホ操作です。スマホを見るときは、手元をのぞきこむ形になりがちですよね。
肩を突き出した状態が長く続き、その結果、筋肉がこわばり元の姿勢に戻らなくなってしまうのです。
スマホ巻き肩と呼ぶ人もいるほどです。

②長時間のパソコン作業
パソコンに向かうときも、スマホと同じように肩を前に突き出しがち。
デスクワークで一日中パソコンに向かっている方は、特に要注意です。

③横向きに寝る
実は、巻き肩になりやすい寝方があります。
それは、横向きに寝ること。

横向きで寝ると、上半身の体重が肩へとかかってきます。
そこで無意識に肩の負担を減らそうとして、肩を前にスライドさせて寝てしまうのです。
こりの元となる筋肉が硬くなる原因は、同じ姿勢をずっと続けること。
それは、起きているときも寝ているときも一緒です。
気持ちよく寝ているつもりでも、実は体に負荷をかけているかもしれません。

巻き肩が原因で起こる不調

巻き肩は様々な不調の原因となります。
肩こりや首のこりはイメージがつきやすいですが、そのほか呼吸にも悪影響を及ぼす場合が…!

巻き肩になると、内側に入った肩のために胸の筋肉が縮みます。
すると肺が圧迫され、呼吸が浅くなってしまうのです。呼吸が浅いと、酸素が体全体に十分に行きわたらず、疲れやすくなってしまいます。

また、血行不良が起き、頭痛や自律神経失調症などにつながる場合もあります。

巻き肩の予防法

大切なのは、巻き肩にならないように予防すること!
以下の点に気をつけて生活してみましょう。

①前かがみの姿勢を続けない

特にスマホを見るときの姿勢には気をつけましょう。ついついスマホを手元に持って下を見がちですが、スマホを顔の位置まで持ってきて操作するように意識してみてください。

そもそも、あまり長い時間スマホを触るのは、眼精疲労など巻き肩以外の不調の原因にもなります。スマホの利用は、ほどほどにしてくださいね。

②軽いストレッチをする

スマホの場合は、自分が気をつければ使用時間を減らすことができますが、仕事でパソコンが手放せない方はそうもいきませんよね。
定期的に体を動かし、筋肉をこわばらせないようにしましょう。
合間に軽いストレッチを入れると効果的です。

③横向きで寝る回数を減らす

横向きで寝る習慣のある方は、できれば毎日、体勢を変えてみましょう。
いきなり横向きをやめることは難しいかもしれませんが、回数を徐々に減らすと肩への負担も軽減することができます。