“冷えのぼせ”は冷え症の重度な症状のことを言います。まず、冷え症が起こるメカニズムについて簡単にご説明します。冷えは夏の室内外の温度差や季節の変わり目の温度差の大きい環境で体を冷やすことが原因です。温度差が大きい中で体を冷やすと「血行不良型の冷え」になります。典型的な症状が生理痛です。血行不良型の次に、静脈瘤やリンパ管のうっ滞が起こり、体の末端がむくみます。これを「水分代謝異常型の冷え」と言います。一方、体は本能的に手先・足先などの末端の体温を下げてでも頭部の温度が下がらないようにします。
このような体の仕組みから血行不良型、水分代謝異常型の冷えが続くと、頭部が熱くなり、手先・足先の末端との温度差が大きくなります。その結果、「冷え」と「のぼせ」が混在した“冷えのぼせ”になります。このときに交感神経と副交感神経が通常時よりも頻繁に働きます。ですので冷えのぼせは、いわば自律神経失調型の冷えと言えます。
冷えのぼせの症状が続くと、血行不良型の生理痛の増悪やその他の症状があらわれます。さらに水分代謝異常型のむくみやめまいも増悪します。つまり“冷えのぼせ”が負のスパイラルを引き起こしてしまいます。
■ 身体の不快=頭痛持ち・肩こりがある・腹痛持ち・口が渇く ■ 睡眠の悩み=入眠困難・熟睡障害・中途覚醒・仮眠症・早朝覚醒
■ 気分の悩み=イライラする・不安感に襲われる・落ち込みやすい ■ 肌の悩み=ニキビ吹き出物が出来る・皮脂が浮く・赤みがある・べたつく
「睡眠の悩み」について詳細な質問を聞くと“冷えのぼせ”を感じている女性は、冷え症の人よりも「寝つきが悪い」と答えた人が15.9%も多くいることが分かりました。また、今回調査した睡眠の悩みに関する5つの項目全てにおいて、“冷えのぼせ”の人は冷え症の人よりも悪い傾向にあることが分かります。
日常ケアの中でも重要なことは、効率的に血液を温め、全身を温めることです。首には皮膚のすぐ下を大きな血管が通り、頭を支える筋肉があるため全身を効率的に温めることができます。首の後ろを温めることで、副交感神経が優位に切り替わり自律神経のバランスが整います。
また、効果的に交感神経の緊張をやわらげ眠りにつくために、眠る前の5分間、首を温めながら腹式呼吸をして頭を空っぽにするのも効果的です。
“冷えのぼせ”の人がやってはいけないこと



心当たりのある方はこの注意点を覚えておくといいと思います。